サン&リブのつくりかた2 飯森範親×奥野僚右×中井川茂敏x中山ダイスケx稲村和之

飯森

早くテーマ音楽つくりたいですね〜(バンバン、と机を叩く)

奥野

こういう協力関係をみても、皆さん山形が好きで純粋に動かれているというのが印象的。僕もそういう所の仲間になれたらいいなと思っています。

稲村

嬉しいですねぇ。この三者協定は、組織とか会社という形ではなく、個人のつながりから入ったという部分が大きいです。こういう巡り合わせがあって、ものづくりが始まり、こういった取り組みをしてさらに積極的に盛り上げ、動かしていこうとしています。今やっていることが我々の宝物になっていくのではないかと。

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今後はどのような展開を考えていますか?

中山

三者協定というと大きな団体の協定に見えますがそうではありません。家の2階でクラシックを聴いているお父さんと、自分の部屋でサッカーを見ている息子さんと、キッチンでリンゴを食べているお母さんが、リビングに集まり一緒に話ができるようになるつながりなんです。モンテディオのテーマソングが山響によって演奏されれば、父と息子がお互いの好きなものに興味を持つようになり、両者に「サン&リブ」とついていたりすると、「おばあちゃんが作っている桃のジュースが!」と驚くでしょう。山形の世代の縦と横がつながってくので、もっと仲間を増やしていくのが一番いいと思います。モンテディオの自分の好きな選手がクラシックを聴いている、というだけでも今までと違う反応がでると思いますよ。

飯森

12月のサン&リブのコンサートに、選手やサポーターには是非来て欲しいですね。

奥野

サッカーとクラシック。一見ミスマッチに見えて、全くそういうことはない。実現したいですね。

稲村

別々の部屋にいたものが『山形代表』の元に集まってきて、県民のパワーになっていく、水先案内みたいになっていったらいいなと思います。奥野監督にもタクト振ってもらおうか、という話も出ているんですよ。

飯森

どうです? やられます?

奥野

えっ…ええとそれはもう、ねぇ。

飯森

お好きな曲用意して。

中山

どうします? 飯森さんよりうまかったら(笑)

奥野

自分たちが楽しいことしないとダメですね(笑)


稲村和之
いなむら・かずゆき。山形食品株式会社代表取締役社長。1953年山形県山辺町生まれ。山形県経済連、JA全農山形を経て、2008年6月代表取締役専務、2010年6月より現職。

稲村

絶対にそう。だっておもしろいもの、これ(笑)。コンサートに八神純子さんを招くという話を奥田シェフにしたら、「じゃあみずいろの雨ジュース[注14]作ったら?」と言われましたよ。どういうジュースになるかわからないですけど。我々のものづくりには遊び心も必要なので。中山先生、デザインよろしくお願いします!

奥野

そうやってイメージが形になっていくのってすごいですね。もう言葉がいらない感じですね。

稲村

できることはいっぱいあります。『山形代表』のCMもさっき、飯森さんが出演するようになったことだし(笑)

中山

いろいろな山形代表が出てくるのがいいですね。

注14
みずいろの雨ジュース
八神純子の代表曲「みずいろの雨」をテーマにした、現在試作中の飲料。どんな味になるかは完成してからのお楽しみ。

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聞いているだけでわくわくするようなアイデアがどんどん出てきていますが、山形を元気にする先には何があると思いますか?

稲村

常時2万人が入るスタジアムでは、子どもから大人までモンテディオのプレーに感動します。多くの人が山響の音楽を聴いて、心を別の次元に連れていってもらえます。元気と感動がつながり、それがメッセージとして発信されていき大きな動きになると思います。

中井川

我々の活動は既に、いきがい、という所に入ってきています。練習を見にきてくれて、ホームゲームにも来て、アウェーの応援にも足を運んでくれる地域の方が多くいます。午前中に練習を見て、午後から軽スポーツ教室に参加して、一日を通してモンテディオと関わり楽しんでもらえるリズムができているんです。それがどんどん広がると我々にとっても嬉しいし、責任も重大だと思っています。そういう風に変わりつつありますね。

中山

高齢化社会はさらに進みますし、急に止めることはできません。政治による制度策定や、高齢者が住みやすい町づくりのデザインもありますが、みんなが楽しみながら生きていけば、高齢化をネガティブに捉えなくてもいい町ができるはず。美味しいものを食べる、いきがいとしてサッカーを応援する、音楽を聴く、ということができる山形に、逆におじいちゃんおばあちゃんが「住みたい!」と流入してきてもおもしろいですよね。大人が楽しそうに年を重ねていく姿を見せられる山形。超高齢化社会を背負っていく人たちにはそれぞれの思惑があるのだろうけど、目指している所は一緒な気がします。山形の時代がきたな、と思いましたね。

奥野

スポーツや音楽はそういう役割を担いますからね。今は世界中に情報が流れているわけですから、自分たちを真似してもらってもいいし、真似し合ってもいいし、楽しく元気に過ごせればいいなと思います。山形には足りないものは何もありません。サッカーの土壌も音楽も、いい食文化も、力のあるデザイナーもいる。発展していくだけだと思います。グループの輪をしっかり決めてしまうのではなく、いろんな方が参加して楽しんでもらえるような輪をつくっていくようにして。

中井川

楽しみ方をわかっている人たちがついてきているので、もっともっと広がっていけばいいですね。

中山

広がりといえば。先日モンテディオのフラッグを作った時に知り合いになったサポーターさんがいるんですけど。彼は大蔵村[注15]役場で地域活性化に関わっている人で、今一緒に大蔵村の地域研究をしています。

一同

へぇー。

中山

でもいつも打ち合わせは30分くらいで終わって、後はずっとモンテディオの話!

奥野

それがモンテの狙いです! 家でも外でもモンテの話をしてほしいです。

稲村

家内ともいつもサッカーの話ばかりしてますよ。試合がどうだったとか中島選手[注16]髪型変えた? とか。

奥野

(笑)

中井川

ファンの方で、朝起きてかけられた奥さんの第一声が「石川選手[注17]のけが大丈夫なの?」だったという方もいましたね。

中山

けが人の心配(笑)

稲村

草むしりしているおばちゃんたちの会話が、「今日のFW誰でいくと思う?」とかそういうの、いいと思わない?

中井川

山響の音楽聴きながら農作業したり。

奥野

それはいい作物が育ちますねぇ。

中山

桃に聴かせますか。

奥野

あっ、中山先生、色で選手を操ってください。プラカードをぱっと挙げると選手の動きが変わったり…。

一同

(笑)

中山

それは…なかなか難しいですね(笑)

注15
大蔵村
山形県の北部、最上地方の南部にある人口約4千人の村。全国でも有数のトマトの産地。

注16
中島選手
モンテディオ山形FW、中島裕希選手。2012年にベガルタ仙台から期限付きで移籍。背番号は9。

注17
石川選手
モンテディオ山形DF、石川竜也選手。2009年、東京ヴェルディから移籍。背番号は13。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年7月18日
文翔館中庭にて撮影